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和歌山大学顧問
杉本特許事務所所長弁理士 杉本勝徳
「無方向電磁鋼板訴訟について」
現在、著作権法について連載中ですが、昨年10月に提起された大型訴訟が日本としては過去になかった珍しい訴訟なので、著作権を離れて緊急に訴訟の説明をしたい。
先ず何が珍しい訴訟であるかについて、日本を代表する横綱企業同士の訴訟は日本では滅多に起こらないということである。原告は鉄鋼最大手の「日本製鉄」(戦後財閥解体として、日本製鉄が分割され、ずっと「新日鉄」という社名であった)、被告はこれまた世界一の自動車メーカーである「トヨタ自動車」および総合商社大手の「三井物産」それに中国の大手鉄鋼会社である「宝山鋼鉄」の3社で、何れも世界的グローバルな企業だ。
訴訟の原因は原告の日本製鉄が所有する「無方向性電磁鋼板」の特許を被告3社が侵害しているということである。一般的には特許権を直接侵害しているメーカーを被告とする。従って本来は「宝山鋼鉄」が被告になるところ、原告は電磁鋼板のメーカーのみならず、それを仲介した商社および最終ユーザーも被告にした。
最終ユーザーの「トヨタ自動車」は何故ユーザーまで被告にしたのだと、公式発表では可なり怒っていたようだ。直接の侵害者が中国のメーカーであることから、訴訟としては国内企業を被告にする方が訴訟としては決着が図りやすいと考えたのだろう。本件訴訟の詳細は次回に述べる事とする。
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